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『キャラメル』 (2009) [映画 (2010 鑑賞作品)]

キャラメル.jpg


 ベイルートに住む女性たちの日常を、監督の暖かく優しいまなざしで、ほのぼのと描いた作品でした。特別にドラマチックなお話が展開する訳ではないんですが、そんなところが当たり前に、ステキだったりします。

 レバノンやベイルートという地名は、どうしても戦争とかをイメージしてしまうんですが、この作品に戦争の影はありません。ただ、私が感じないだけで、どこか、作品の何気ない部分では、影響を受けているのかもしれませんが、どこの国でもありそうな恋愛や結婚のお話がメインの作品なので、観ていて、ほっとしたりします。

 そう、急にストーリーがそっち(戦争)の方向に展開して行っても、何も不思議ではない今の世界の状況に、内心ハラハラしながら観ていたんですが、最後まで、ごく普通の女性たちが家族や仕事や恋愛や、いろいろなことに悩み、流され、或いは乗り越えていく姿を、どちらかと言えば淡々と描いていきます。

160キャラメル2.jpg 中東、アラブの文化は、殆ど知識がありません。ただ、この作品は意識的にそういった側面をあえて強調しようとはしていないようで、それがかえって生活の土台の部分にある文化として、映画を通して接する事が出来たように思います。

 調べてみたら、アラビア語が公用語の国らしいのですが、一時期フランスの統治下にあった歴史の影響で、映画の中では、フランス語の会話も聞くことが出来ます。で、彼女たちにとって、フランス語を使うってのは、ちょっとセレブみたいな憧れがあるらしくて、そんなエピソードがさりげなく出てきたりします。

 そのエピソードは、目立って強調されているわけではありませんが、女性にとってセレブとかって、きっと万国共通の憧れなんだろうなあなんて思うと、不思議に身近に感じられて、安心したりします。一方、アラブ文化の風習も、驚くようなものは全く登場しないところが、何故か物足りない、なんて言ってはいけないんでしょうね。この作品のコンセプトがきっと、そうなんだと思います。

160キャラメル3.jpg 美しい映像と、エキゾチックなアラブの楽器がフューチャリングされた音楽と、どちらもが洗練されていて雰囲気はとても魅力的です。そう、ほんとにお洒落なんです。監督がPVなどを手がけているせいでしょうか、その良い面が作品の質にも顕れていて、とてもすんなり、映画を楽しむことが出来ました。「キャラメル」というタイトルも、観ていると、ああそうなのかと納得してしまいました。

 (2008年のアカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品ですが、ひっそり優しく、どこの国でもあるようなお話が当たり前のように綴られる、それがかえって、印象的なのかもしれません)


チェックレバノン・ベイルートのヘアエステサロンを舞台に、女性たちの悲喜こもごもを皮肉とユーモアを交えて描くハートウォーミングストーリー。アラブの文化や女性観に無意識のうちに縛られ、不倫や結婚、同性愛、家族の問題などに悩むアラブ社会に生きる女性の日常をつづる。監督は中東各国でPVやCMを手掛けるナディーン・ラバキー。長編映画初監督にして主演にも挑み、アラブ女性たちの持つ繊細(せんさい)さや女性らしさ、そして情熱的なところを魅力的に描き切る。
ストーリーベイルートにあるヘアエステサロンのオーナー、ラヤール(ナディーン・ラバキー)は、不倫中の恋人からの電話を待ち仕事もままならない。サロンで働くニスリン(ヤスミーン・アル=マスリー)もまた、婚約中の恋人に隠しごとをしている。このサロンに集まる女性たちそれぞれが、お互いの悩みを見て見ぬフリをしながら過ごしているが……。  【シネマトゥデイ】 より

映画『キャラメル』 予告編

Caramel - Music Video
『キャラメル』 Official Site『キャラメル』@ぴあ映画生活


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コメント 33

よーじっく

miyoko さん、こんぱんはぁ(^^)/
いつもご訪問とnice!、ありがとうございます。
嬉しいです。(^_^)
by よーじっく (2010-04-11 22:20) 

SOSEGON

これはびっくりです!
ベイル―トと聞くと、やっぱり戦争がイメージされます。
街並みもところどころ砲撃にやられていて、
人影もまばらで、常に死というものが隣り合わせで・・・・・。
勝手なイメージでした。
普通の、いや、むしろオシャレな暮らしなんですね。
映画によって、いろんなことを知ることができます。
ほんと、びっくりです!
by SOSEGON (2010-04-12 03:53) 

デルフィニウム

その国のエッセンスが少し欲しいと思う気持ちはわかる気がします。
効きすぎのエッセンスはちょっとと・・・思いますが。
by デルフィニウム (2010-04-12 09:11) 

スマイル

よーじっくさん おはようございます!
ベイルートを背景にもつ映画は、珍しいように思います。
同じ地球に暮らしながら、お国柄がそれぞれあっても、なかなかそれを知るチャンスがありません。この映画は特にアラブの女性にスポットを当てているのですね。同姓としての視点から、いろいろと考えるきっかけになりそうです。
>ごく普通の女性たちが家族や仕事や恋愛や、いろいろなことに悩み、流され、或いは乗り越えていく姿を、どちらかと言えば淡々と描いていきます。
かけ離れていない「普通」の設定からより身近に何かを感じられるのかなと思われ気になる映画ですね♪
歌はインド風の要素も入っているような、不思議な空気感がありよい意味での違和感を感じます♪
by スマイル (2010-04-12 10:19) 

よーじっく

SOSEGON さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とコメントを、いつもありがとうございます。

一方的に固まりすぎているイメージを壊してくれる映画でした。
しかし、きっと、平和な日本とは違って、すぐ身近に戦争が
存在しているような気がしてしまいます。

貴重な当たり前の日常の有り難さを、謳歌している作品なの
かもしれませんし、恋愛や結婚に悩む事の幸せを描いている
のかもしれません。どちらにしても、こういった作品を観て
驚いていられるのは、やっぱり幸せなんですよね。
by よーじっく (2010-04-12 17:55) 

よーじっく

デルフィニウム さん、こんぱんはぁ(^^)/
コメントとnice!をありがとうございます。

エッセンスのバランスが、かなり万国向きにブレンドされている
気がします。効き過ぎて、観る人が違和感を異様に持ってしまったら
一人でも多くの外国の人に観てもらいたいという願いは、
適わないかもしれませんね。その点、この作品は、とても観やすく
親しみやすく、適度にエキゾチックで、よく考えられていると思います。
by よーじっく (2010-04-12 18:00) 

よーじっく

スマイル さん、こんぱんはぁ(^^)/
コメントとnice!をありがとうございます。

中東の音楽は、どれも私には同じに聴こえてしまいます。
隣国と密接に文化も音楽も共有している現実は、
独自の文化を持つ島国・日本の私は、驚くことも多いです。

過去、何度も国境線が引き直されてきた国々の文化は
驚くほどに柔軟で、複雑な気がします。そんな国の女性も、
悩みや願いは共通する部分が多いということに気付かせて
くれた映画でした。

エキゾチックな音楽に惹かれて、こういう作品に接するのも
結果的には良いことのように思います。この作品が全てで
はないにしても、いいキッカケになったと思います。
by よーじっく (2010-04-12 18:11) 

よーじっく

xml_xsl さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!を、いつも感謝です。ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-04-12 18:12) 

よーじっく

末尾ルコ さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!、いつも嬉しいです。ありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:12) 

よーじっく

あんれに さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!を感謝です。ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-04-12 18:13) 

よーじっく

シンシン。 さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!、いつも嬉しいです。ありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:15) 

よーじっく

こんぱんはぁ(^^)/ kaoru さん、
ご訪問とnice!を、いつも感謝です。嬉しいです。(^'^)
by よーじっく (2010-04-12 18:16) 

よーじっく

Labyrinth さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!、嬉しいです。こちらにも、ありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:27) 

よーじっく

@ミック さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!を、いつも感謝です。嬉しいです。(^'^)
by よーじっく (2010-04-12 18:28) 

よーじっく

スー さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!、嬉しいです。ありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:28) 

よーじっく

shin さん、こんぱんはぁ(^^)/
いつも、ご訪問とnice!をいただき
ありがとうございます。嬉しいです。(^'^)
by よーじっく (2010-04-12 18:29) 

よーじっく

mitu さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!を、いつも感謝です。ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-04-12 18:30) 

よーじっく

kantoku さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。嬉しいです。
映画の完成を楽しみにしています。(^_^)
by よーじっく (2010-04-12 18:31) 

よーじっく

artfuldodger さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!、いつも嬉しいです。ありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:31) 

よーじっく

激辛王 さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!を感謝です。ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-04-12 18:33) 

よーじっく

久遠 さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。嬉しいです。(^_^)
by よーじっく (2010-04-12 18:33) 

よーじっく

kakasisannpo さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:34) 

よーじっく

くにちゃん、こんぱんはぁ(^^)/、
ご訪問とnice!をありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-04-12 18:35) 

よーじっく

ちー坊さん、こんぱんはぁ(^^)/、
ご訪問とnice!をありがとうございます。(^_^)
by よーじっく (2010-04-12 18:36) 

よーじっく

PENGUING さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!、嬉しいです。ありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:37) 

よーじっく

伽耶 さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!を感謝です。ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-04-12 18:37) 

よーじっく

ikuko さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。嬉しいです。(^_^)
by よーじっく (2010-04-12 18:39) 

よーじっく

きっく さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-04-12 18:40) 

よーじっく

まる さん、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!を感謝です。ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-04-12 21:21) 

よーじっく

sig さん、おはようございます(^^)/
こちらにも、ご訪問とnice!をありがとうございます。嬉しいです。(^_^)
by よーじっく (2010-04-13 06:00) 

クリス

こんにちは。
この作品、おもしろそうですね~。
DVDでしょうか?それとも劇場公開・・・?
ノーマークでした。
by クリス (2010-04-14 12:21) 

よーじっく

クリス さん、こんぱんはぁ(^^)/
コメントとnice!をありがとうございます。

静岡市未公開作の1週間限定上映で3月に観たのですが
実は、私も全く知らない作品でした。ミニシアター系の
会員感謝500円上映だったのも、有り難かったです。

昨年1月公開の作品なのでDVDも出ているのではないかと
思いますが、余り期待せずに観たほうが、いいような気がします。
アカデミー賞外国語映画賞の選定基準がどこら辺にあるのか
なんとなく、わかる気がします。
by よーじっく (2010-04-14 21:56) 

よーじっく

薔薇少女 さん、こちらも、こんぱんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。感謝です。m(__)m
by よーじっく (2010-04-16 20:23) 

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