ご訪問をありがとうございます。
この作品の特徴は、台本はあるのだけれど決定稿ではなく、その台本を手渡された役者が、一度自分の中で咀嚼して、自分の言葉に置き換えて話しているということだそうです。
まっ、「自由にしゃべっていいよ」と監督は役者に伝えているんだろうけれど、そう言われた役者は「はい、わかりました。勝手にしゃべらせていただきます。」なんてことは思わないだろう。そう、自分らしくというよりは、今の高校生が使いそうな表現、或いは言い回しを駆使して、役者から出てくる言葉は決定されていったような気がする。つまり、役者たちは自分で自分を演出しているのだろう。
誰が聞いても不自然であったり、意味不明であったりしないような表現を、きっと無意識に意識はしていただろう。つまるところ、実際は自由でも自然でもなく、その年代の感性というフィルターを通してその発せられる言葉であれば、何でもいいのだと思う。言葉自体が、この作品で大事なのではなく、言葉を自由に任されたことによる、役者が感じる、演じることへの違和感やストレスからの解放、そして置かれている状況が引き起こす精神的な不自然さの一掃なのかもしれない。なんて観ながら思っていた。
北乃きいを見ていると、まさに彼女が、自由に生きている(動いているように)ように感じてしまう。
役者たちが監督から任された思った段階で、その役の呪縛から解放されたと勘違いすることによって、生まれてくる、一種の「場の雰囲気」の自然さや安定感を狙っているのではないだろうかと思う。
「言葉の自由」に意味があるのではなく、言葉から解放された精神状態から演じられる、一見、自然に見えるフィクションの面白さを、狙っているのかもしれない。
したがって、自然に見える北乃きいの演技が、昨年の『ラブファイト』とさして変わらなくても、何も不思議なことはない。そう彼女が培った演技経験から生まれる、言葉と演技なのだから。北乃きいオリジナル、素の北乃きいではなく、役者としての北乃きいオリジナルなんだよね。
しかし、最近見かけるコマーシャルでの彼女と、さして変わらない北乃きいが、そこにいる。彼女は確かに、さらに変化していくのだろうけれど・・・。その諸刃は、この作品を既に過去のものとして、置き去りにし始めているような気さえする。
そして、いかにも自然ですと言わんばかりに、カメラワークは、ドキュメンタリーさながらに手持ちカメラを駆使したものだったりする。
冒頭の自転車での通学風景は、ピンポケ気味のカメラワークで、まずは観客に、この作品の不安定への心構えを要求する。しかし、不安定さこそが、青春だと、言わんばかりに、この作品でのカメラワークは、不安定なスレスレの自由度で動き回る。ピンポケだったのは、導入部だけ、うまく乗せられてしまった気さえする。
高校3年生の秋から冬までを、いかにも、そのまま切り取ったかのような作風は、確かに成功していると思う。まさにドキュメンタリーを見せられているような錯角さえ覚える。
あっ、でも昔、こんな映画観たよな。たしか羽仁進の『午前中の時間割り』。好きな映画だったなあ・・・。
← この映画館で観ました
それはさておき、巧妙に作られた、偽ものの青春がそこには確かに本物らしく、存在している。「うまい」ではなく「やられた」、そして「のせられた」観客の一人になってしまったのは、確か・・・。
う~ん、しかし、思い出って、その真っ只中にいるときは、何も考えずに「がむしゃら」なんだよね。だから、色は全く付いていない無色透明な、弱々しいもの。
でも、その一秒後から、既に思い出は自分の色によって美しく変色していき、その色によって強ささえも持ちえていくもの。
この作品は、その美しく変色してゆくことさえ拒否していて、無色なままのような気がする。『ハルフウェイ』の魅力は、そこにあるように思う。
ハルフウェイ - Salyu
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ご訪問くださる皆様に、こころから感謝いたします。
皆様に幸あれ!!! です。 ヽ(^o^)丿
『ハルフウェイ』 (2009) [映画 (2009 鑑賞作品)]
この作品の特徴は、台本はあるのだけれど決定稿ではなく、その台本を手渡された役者が、一度自分の中で咀嚼して、自分の言葉に置き換えて話しているということだそうです。
まっ、「自由にしゃべっていいよ」と監督は役者に伝えているんだろうけれど、そう言われた役者は「はい、わかりました。勝手にしゃべらせていただきます。」なんてことは思わないだろう。そう、自分らしくというよりは、今の高校生が使いそうな表現、或いは言い回しを駆使して、役者から出てくる言葉は決定されていったような気がする。つまり、役者たちは自分で自分を演出しているのだろう。
誰が聞いても不自然であったり、意味不明であったりしないような表現を、きっと無意識に意識はしていただろう。つまるところ、実際は自由でも自然でもなく、その年代の感性というフィルターを通してその発せられる言葉であれば、何でもいいのだと思う。言葉自体が、この作品で大事なのではなく、言葉を自由に任されたことによる、役者が感じる、演じることへの違和感やストレスからの解放、そして置かれている状況が引き起こす精神的な不自然さの一掃なのかもしれない。なんて観ながら思っていた。
北乃きいを見ていると、まさに彼女が、自由に生きている(動いているように)ように感じてしまう。
役者たちが監督から任された思った段階で、その役の呪縛から解放されたと勘違いすることによって、生まれてくる、一種の「場の雰囲気」の自然さや安定感を狙っているのではないだろうかと思う。
「言葉の自由」に意味があるのではなく、言葉から解放された精神状態から演じられる、一見、自然に見えるフィクションの面白さを、狙っているのかもしれない。
したがって、自然に見える北乃きいの演技が、昨年の『ラブファイト』とさして変わらなくても、何も不思議なことはない。そう彼女が培った演技経験から生まれる、言葉と演技なのだから。北乃きいオリジナル、素の北乃きいではなく、役者としての北乃きいオリジナルなんだよね。
しかし、最近見かけるコマーシャルでの彼女と、さして変わらない北乃きいが、そこにいる。彼女は確かに、さらに変化していくのだろうけれど・・・。その諸刃は、この作品を既に過去のものとして、置き去りにし始めているような気さえする。
そして、いかにも自然ですと言わんばかりに、カメラワークは、ドキュメンタリーさながらに手持ちカメラを駆使したものだったりする。
冒頭の自転車での通学風景は、ピンポケ気味のカメラワークで、まずは観客に、この作品の不安定への心構えを要求する。しかし、不安定さこそが、青春だと、言わんばかりに、この作品でのカメラワークは、不安定なスレスレの自由度で動き回る。ピンポケだったのは、導入部だけ、うまく乗せられてしまった気さえする。
高校3年生の秋から冬までを、いかにも、そのまま切り取ったかのような作風は、確かに成功していると思う。まさにドキュメンタリーを見せられているような錯角さえ覚える。
あっ、でも昔、こんな映画観たよな。たしか羽仁進の『午前中の時間割り』。好きな映画だったなあ・・・。
← この映画館で観ました
それはさておき、巧妙に作られた、偽ものの青春がそこには確かに本物らしく、存在している。「うまい」ではなく「やられた」、そして「のせられた」観客の一人になってしまったのは、確か・・・。
う~ん、しかし、思い出って、その真っ只中にいるときは、何も考えずに「がむしゃら」なんだよね。だから、色は全く付いていない無色透明な、弱々しいもの。
でも、その一秒後から、既に思い出は自分の色によって美しく変色していき、その色によって強ささえも持ちえていくもの。
この作品は、その美しく変色してゆくことさえ拒否していて、無色なままのような気がする。『ハルフウェイ』の魅力は、そこにあるように思う。
ハルフウェイ - Salyu
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ご訪問くださる皆様に、こころから感謝いたします。
皆様に幸あれ!!! です。 ヽ(^o^)丿
素敵な散歩道ですね^^
by @ミック (2009-11-24 01:06)
最近ブレブレの映像とか、粗い画像とか、
なんかそういうの多いですね。
この映画も予告編を何度も見て、
前々から気になっているんですが、
主役二人の“雰囲気”の中に入るのをためらっています。
なにか入り込みにくいんですよね。
よーじっくさんが云うように、ドキュメンタリー風過ぎて、
野暮な感じを持ってしまうんでしょうか?
う~ん、どうしようかなぁ~?!
by SOSEGON (2009-11-24 05:11)
xml_xsl さん、こんばんはぁ(^_^)/
いつもご訪問とnice!、ありがとうございます。
感謝です。
by よーじっく (2009-11-24 19:36)
shin さん、こんばんはぁ(^_^)/
ご訪問とnice!、嬉しいです。
ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2009-11-24 19:37)
久遠 さん、こんばんはぁ(^_^)/
ご訪問とnice!、嬉しいです。
感謝です。m(__)m
by よーじっく (2009-11-24 19:38)
@ミックさん、こんばんはぁ(^_^)/
いつも、ご訪問とnice!、嬉しいです。
映画を観たあと、オフィシャルサイトで
見た写真は、まるで自分の思い出のように
懐かしく感じました。
校庭の写真も、懐かしい色をしています。(^_^)
by よーじっく (2009-11-24 19:41)
新鮮ととるか、生々しいととるか
感じ方は、人それぞれですね、きっと。
SOSEGON さん、こんばんはぁ(^_^)/
いつも、ご訪問とコメント、感謝です。
映画での出来事ではなくて、部室や校庭など
時間の流れ方が違う風景に
いつのまにか、引き込まれました。
そんな作品だと思います。
by よーじっく (2009-11-24 19:46)
この作品を観た時に、その臨場感に思わず引き込まれました。脚本家が映画を監督した場合、物語を語ることが中心になりがちで、説明過剰的な長い作品になりがちですけど、この作品はそれとは真逆な方向性で驚きました。
僕はカメラワークも含め気に入っています。
by 丹下段平 (2009-11-24 22:26)
瑞々しさが溢れる、ここちいい作品ですね。
儚ささえ感じ取れる、危うさが魅力だと思います。
丹下段平さん、こんにちはぁ(^_^)/
ご訪問、コメント、そしてTB、ありがとうございます。
m(__)m
by よーじっく (2009-11-25 08:25)
スリーエイトジュニアさん、こんにちはぁ(^_^)/
ご訪問とnice!、嬉しいです。
ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2009-11-25 15:59)