ご訪問をありがとうございます。
チェック:凄惨な女子高生殺人事件を皮切りに、事件の容疑者となった息子と、息子の無実を信じて真犯人を追う母の姿を追ったサスペンス。監督は『殺人の追憶』などで国際的に評価される名匠ポン・ジュノ。主人公の母を“韓国の母”と称される国民的人気女優キム・ヘジャが演じ、その息子を『ブラザーフッド』のウォンビンが演じている。カンヌ国際映画祭でも絶賛されたポン・ジュノ監督の卓越した演出と、兵役後の復帰第1作となるウォンビンの熱演に注目だ。 【シネマトゥデイ】 より
傑作との声が聞こえてきていたので気になっていた作品です。静岡でもやっと公開されたので、観てきました。
私はかなりラスト近くまで、その作品の力強さと裏腹の、荒削りな演出に戸惑っていました。お話も、このままじゃ、可哀相な母子の愛情物語で終わってしまいそうだったので、内心ハラハラしてました。
さっき、データを調べていて、2009年度キネ旬の第2位と読み、唖然としました。知らないまま観て良かった、ってホント思いました。ここまで評価が高いと知っていたら、作品を観る目が変わってしまったかもしれません。
まっ、私はキネ旬を信用していませんので、わかっていたら、きっとどこかおかしなところがないかと粗探しをしてしまったかもしれません。(^_^;)
事前の知識がないままの鑑賞は、素直に作品を享受できて良かったと思います。ラストあたりの20分に、この作品のすべては凝縮されていて、そのラストは、涙とは全く無縁で、不思議に爽やかでした。悲惨にはならないラストの空虚感は、監督が逃げている気もしますが、すべては砕け、風に飛ばされて、土に埋もれてしまう儚さが、漂っていました。
知恵遅れの息子と、息子を溺愛する母。片田舎の閉塞的な町で起こる殺人事件は、最初から、感動作の要素は充分すぎるぐらい揃っています。舞台となる国は韓国です。サスペンス、スリラー、謎解きなど、娯楽作としての訴求力は、なかなかのものだと思います。音楽も抜群に素晴らしいです。そして、あの押切ナタの音が、どこか怖くて、その音響効果にドキドキします。かなり、よく練られ組み立てられた演出だと思います。
母の愛情は、すべてを乗り越えて、すべてを押し流して、息子の本当の姿さえも見失うほどに、深いものなのだと、思い知らされます。鬼気迫る、その愛情の行方に戸惑います。
この作品では、殺人事件の根っこに金銭的な困窮が絡んでいます。汚職やら退廃やらが渦巻く社会の底辺にいる人たちが主人公で、被害者も加害者も、そんな底辺の人たちです。
悲しいお話には、違いないのですが、母親の愛情が、事件そのものに目隠しをしてしまっている、という以上に、この映画自体に目隠しをしています。あっけらかんとした愛の闇の深さは、母と息子の境さえも突き抜けているとでも、表現したかったのでしょうか。複雑に絡み合う、その先にあるものは、人間の得体の知れない業なのかもしれませんが、混沌とした深みに、作品を投げ込んでしまった気もします。
そして、成り行きや直情的な愛情が引き起こす事件は、社会のせいでもあるかのように、感じられるとしたら、この作品は成功しているのでしょうか。私は、疑問に思いました。確かに奥深いところで、眠っている社会の歪は、感じますが・・・。
洗練はされていないけれど迫力ある演出と脚本、役者さんたちの熱演だけで、この作品を評価するのは、危険な気がします。ただ、記憶に残る、素晴らしい韓国映画の、1本であることは確かです。
※ 130万アクセスにとどきました。(7/8 頃)
ご訪問くださる皆様に、こころから感謝いたします。
皆様に幸あれ!!! です。 ヽ(^o^)丿
『母なる証明』 (2009) [映画 (2010 鑑賞作品)]
チェック:凄惨な女子高生殺人事件を皮切りに、事件の容疑者となった息子と、息子の無実を信じて真犯人を追う母の姿を追ったサスペンス。監督は『殺人の追憶』などで国際的に評価される名匠ポン・ジュノ。主人公の母を“韓国の母”と称される国民的人気女優キム・ヘジャが演じ、その息子を『ブラザーフッド』のウォンビンが演じている。カンヌ国際映画祭でも絶賛されたポン・ジュノ監督の卓越した演出と、兵役後の復帰第1作となるウォンビンの熱演に注目だ。 【シネマトゥデイ】 より
傑作との声が聞こえてきていたので気になっていた作品です。静岡でもやっと公開されたので、観てきました。
私はかなりラスト近くまで、その作品の力強さと裏腹の、荒削りな演出に戸惑っていました。お話も、このままじゃ、可哀相な母子の愛情物語で終わってしまいそうだったので、内心ハラハラしてました。
さっき、データを調べていて、2009年度キネ旬の第2位と読み、唖然としました。知らないまま観て良かった、ってホント思いました。ここまで評価が高いと知っていたら、作品を観る目が変わってしまったかもしれません。
まっ、私はキネ旬を信用していませんので、わかっていたら、きっとどこかおかしなところがないかと粗探しをしてしまったかもしれません。(^_^;)
事前の知識がないままの鑑賞は、素直に作品を享受できて良かったと思います。ラストあたりの20分に、この作品のすべては凝縮されていて、そのラストは、涙とは全く無縁で、不思議に爽やかでした。悲惨にはならないラストの空虚感は、監督が逃げている気もしますが、すべては砕け、風に飛ばされて、土に埋もれてしまう儚さが、漂っていました。
知恵遅れの息子と、息子を溺愛する母。片田舎の閉塞的な町で起こる殺人事件は、最初から、感動作の要素は充分すぎるぐらい揃っています。舞台となる国は韓国です。サスペンス、スリラー、謎解きなど、娯楽作としての訴求力は、なかなかのものだと思います。音楽も抜群に素晴らしいです。そして、あの押切ナタの音が、どこか怖くて、その音響効果にドキドキします。かなり、よく練られ組み立てられた演出だと思います。
母の愛情は、すべてを乗り越えて、すべてを押し流して、息子の本当の姿さえも見失うほどに、深いものなのだと、思い知らされます。鬼気迫る、その愛情の行方に戸惑います。
この作品では、殺人事件の根っこに金銭的な困窮が絡んでいます。汚職やら退廃やらが渦巻く社会の底辺にいる人たちが主人公で、被害者も加害者も、そんな底辺の人たちです。
悲しいお話には、違いないのですが、母親の愛情が、事件そのものに目隠しをしてしまっている、という以上に、この映画自体に目隠しをしています。あっけらかんとした愛の闇の深さは、母と息子の境さえも突き抜けているとでも、表現したかったのでしょうか。複雑に絡み合う、その先にあるものは、人間の得体の知れない業なのかもしれませんが、混沌とした深みに、作品を投げ込んでしまった気もします。
そして、成り行きや直情的な愛情が引き起こす事件は、社会のせいでもあるかのように、感じられるとしたら、この作品は成功しているのでしょうか。私は、疑問に思いました。確かに奥深いところで、眠っている社会の歪は、感じますが・・・。
洗練はされていないけれど迫力ある演出と脚本、役者さんたちの熱演だけで、この作品を評価するのは、危険な気がします。ただ、記憶に残る、素晴らしい韓国映画の、1本であることは確かです。
タグ:ポン・ジュノ
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kaoru さん、おはようございます(^^)/
いつもご訪問とnice!を、ありがとうございます。
嬉しいです。!!!
by よーじっく (2010-02-19 07:51)
@ミックさん、おはようございます(^^)/
ご訪問とnice!を、いつも感謝です。
ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-02-19 08:08)
はっこう さん、こんにちはぁ(^_^)/
いつも、ご訪問とnice!をありがとうございます。
嬉しいです!!!
by よーじっく (2010-02-19 16:26)
yukio さん、こんにちはぁ(^_^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。
感謝です。
by よーじっく (2010-02-19 16:26)
xml_xsl さん、こんにちはぁ(^_^)/
ご訪問とnice!を、いつもありがとうございます。
感謝です。(^_^)
by よーじっく (2010-02-19 16:27)
artfuldodger さん、こんにちはぁ(^_^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。
感謝です。
by よーじっく (2010-02-19 16:27)
mitu さん、こんぱんはぁ(^^)/
いつもご訪問とnice!、ありがとうございます。
嬉しいです。(^_^)
by よーじっく (2010-02-19 20:55)
シンシン。 さん、こんぱんはぁ(^^)/
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by よーじっく (2010-02-19 20:55)
chee さん、こんにちはぁ(^_^)/
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感謝です。(^_^)
by よーじっく (2010-02-20 12:21)
こんばんは~^^
愛は盲目と言いますが、ほんとにすごかったです。
最後の最後まで、
母親は息子しか見えていないようでした。
韓国映画、まだまだ面白い作品ありますね。
by てくてく (2010-02-23 02:34)
てくてく さん、こんにちはぁ(^^)/
コメントとnice!、ありがとうございます。
後半の流れは、見事に「映画」になっていました。
凄みのある作品ですね。(^_^)
by よーじっく (2010-02-23 12:11)
wing_14 さん、 こんにちはぁ(^_^)/
ご訪問とnice!をありがとうございます。
嬉しいです。!!!
by よーじっく (2010-03-02 16:35)
kantoku さん、こんにちはぁ(^_^)/
こちらにも、ご訪問とnice!をありがとうございます。
感謝です。(^_^)
by よーじっく (2010-03-05 18:16)
(^_^)ノこんばんは。
> 混沌とした深みに、作品を投げ込んでしまった気も
う~む そう言われれば・・・ って思いますね。(;^_^A
確かに凄いと思ったし、記憶にも強く刻まれましたけれど。
ともかく、私めにとっては、すべて新鮮で刺激的な映画ではございましたね。(笑)
by Labyrinth (2010-03-18 00:01)
Labyrinth さん、こんぱんはぁ(^^)/
コメントとnice!をありがとうございます。
息子と同じ地平に立てた母の喜びが、やるせなさと一体に
なって漂う不思議なラスト、あの表情は理解ではなく
納得に見えました。
一方、息子は韓国映画『チェイサー』の主人公みたいに
なっちゃうのかななんて、心配にもなりました。(笑)
by よーじっく (2010-03-18 20:31)