『007/慰めの報酬』 (2009)

　面白かったです。何しろ私は最近、身体を張ったアクションを見せてもらえると、それだけで満足してしまう傾向があるみたいです。

　カーアクションとかのスゴイ映画がごく当たり前に存在するようになってきて、ときどき、これってCG処理でもしてるのかなぁなどと、一瞬思ったりすると、ちょっと興ざめしたりするようになっちゃってます。ほんの数年前までは、そのCG処理に感動したりしていたのに、いつのまにか慣れっこになってしまっているんですね。

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　この作品も、スパイを主人公とした娯楽アクション映画なんで、当然カーアクションだって、うお～スゴイって感じであったりするんですよね。で、何故か最近はよく目にする飛行機やボートを使ったアクションも登場します。やっぱり次から次に、これでもかこれでもかと、アクション・シーンが出てきます。

　で、お話はというと、ボリビアを舞台にした、国がらみ企業がらみ軍人がらみの巨大陰謀の中に自ら飛び込んでゆく、ジェームス・ボンドの活躍やいかに、って映画です。

　やっぱり、００７ものは違うねぇなどと、観ながら感心していた・・・・、ハズです。えっ、ハズって、どういうこと？

　大爆破、大爆破、連続大爆破、のあと舞台は暑い南米から、雪のロシアへ・・・(だったかな)。ちょこっと、オチというか、そんなものがあって、ジ・エンド。

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　おぉ～、見慣れた、あのボンド映画でおなじみの、瞳の中にボンド登場のシーン、こちらに向けて撃ってくる映像が・・・、ほぉ～、やっとここで出て来るんだ、この映像が・・・。そうか、ここからボンド・シリーズは新しく始まっていくんだな、と感心しつつ。

　あれ、いつのまにか、これがボンド映画であった事を忘れていた自分に気づきました。(^^ゞ

　そうなんです。ただのアクション映画を楽しんでいた自分がいたんです。エンド・クレジットを見て、ボンド映画である事を思い出したんです。

　考えてみると、今まで観ていたボンド映画と大部違う感じです。確かにアクションはスケール大きくてスゴいんだけど・・・。

　まず、ユーモアがないんだよね、これってとっても大事な気がする。それにスパイ映画って、ちょっとセレブな感じで豪華な設定とかもあったよな、そうそう美女もゴージャスじゃなきゃあね。それに、イギリス映画の持つ、ちょっと皮肉っぽくてシニカルな感じ、どこかしら品もあって欲しいよなあ。

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　それにスパイ映画なんだから、巨大悪とのハラハラさせる駆け引きだってあったよなあ。頭脳戦とかの要素もほしいよなあ。スケールのデカい悪役ってのも必要だよなぁ、別に大物役者じゃなくてもいいんで、雰囲気や存在感があったり、不気味さがが出てればいいんです。そういったのが全然無いよなあ、この映画・・・。

　ちょっと、高望み過ぎかなあ・・・。

　確かに面白いけど、ボンドの魅力が伝わってこないよなぁ。役者さんのせいじゃなくて、そんなカッコいいスパイを描こう(ｵｲｵｲ)、作り上げようって気持ちがないみたいです。スパイって、そんなカッコよくもシャレてるもんでもないんだよ、と言われればそれまでなんですが・・・。

　当然なんですけど、クールで非情なスパイなんですよね。まっ、『バットマン・ビギニングス』みたいに、『ジェームス・ボンド・ビギニングス』みたいな映画なのかもしれません。

　『007/慰めの報酬』の作品情報(象のロケット)　

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007慰めの報酬　予告編　

　主題歌：アリシア・キーズ＆ジャック・ホワイト『アナザー・ウェイ・トゥ・ダイ』　

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