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『たみおのしあわせ』 (2008) [映画 (2009 鑑賞作品)]
結構、好きな作品。
けれど、唐突なラストが、余りにも強引すぎる印象を与えて、観客を混乱させるというか、納得できない人が多かったのではないかと思う。
ラストの内容が、というより、「結局、この映画なんだったんだ」みたいな後味を与えてしまう。
まず、監督の言いたいことは、ラストにあって、そのために、延々と市井の人々の生活を、淡々と描いていた、なんて解釈をすれば、納得できるのかなあ・・・、ってな感じ。
ラストで、突然、ファンタジーというか、幻想の世界に入ってしまうのも、ちょっと、ウソっぽくて好きだったりするんだけれど、生々しい(どちらも)というか、それまで丹念に積み上げていた、それらしい人々のそれらしい生活との落差が、大きすぎる印象は確かにある。
私は、このラスト、成島東一郎監督の『青幻記~遠い日の母は美しく』(1973)を、思い浮かべちゃうんだよね。
とってつけたラストではなく、このラストから映画は始まっているような気がする、というかラストに提示されたトラウマみたいなものが、この親子にとっての、「永遠に追い求める」母であり、妻であり、「たみおくんの結婚観」なのだと思う。
とはいいつつ、映画の殆どは、そこまでの道筋を描いているわけで、これまたラスト直前までの描写が、結構いいんだよね。
ところどころ、アクセントとなるお遊びみたいなエピソードを交えつつ、進んでゆくストーリーの流れは、どこか往年の日本映画が持っていた、独特の「まったり」感が滲み出てて、好感が持てたりする。
主人公は、妻を亡くした親父と、その息子。どうも仕事はちゃんとしているみたいだけれど「心ここにあらず」みたいな生き方をしているオダギリジョー演じる息子、何故か女性にはモてるみたいだけど「成り行き任せ」の生き方をしている原田芳雄演じる親父。
まっ、それでも、何処にでもいそうな感じの父子だし、たいした事件が起こるわけでもない、アメリカに住んでいるはずの小林薫演じる叔父とかが、絡んでくるんだけれど、それも織り込み済みみたいな感じで、この親子の生活に取り込まれてしまう程度の小さなドタバタみたいな雰囲気はある。
とりあえず、息子と結婚する相手は麻生久美子、父親の現在の女は大竹しのぶが演じています。この二人も、なかなかの存在感があって、絶妙なんですが、またまた、この親子のまったりな生活態度に呑み込まれてしまうところが、面白い。
まっ、絶妙なバランス感覚が、とっても気持ちいい作品だったりします。
余りに親子の生き方が、落ち着いていると言うか、「われ関せず」のような安定感があって、それが異様にこの作品を支配している感じもする。
この作品、「結婚するのとしないのと、どっちがしあわせ?」みたいな命題があって、結論はとっくに(監督の中では)出てるのに、どうしても拭い去れないトラウマとかがあって、結局、こんな映画が出来てしまったみたいな気がする。
監督の、一人相撲みたいな映画、って冷たい評価も出来るかもしれないけれど、そんな一筋縄ではいかないのが、この映画であったり、「結婚」であったり、「しあわせ」だったりするわけで、まっ、人生って、そんなもんですよ、みたいな~~
いいんじゃない、そんなもんで、現実は、何処にも逃げられないんだから、せめて、映画の中だけでも、逃げさせて欲しいよ~、そう、ちょうど映画の『卒業』のラストみたいに~、ってな、いい加減さがここちよかったりする作品です。
ああ、殆ど、何を言ってるかわからない、まったりな感想になってしまった、でも、そんな映画なんです。
ちなみにラストを映画の冒頭に持ってきたならば、かなり作品の印象は、変ったものになると思います。敢えて、やらなかったのかもしれないけれど・・・・。
さらに、好みを言えば、幻想的なシーンをフラッシュバックで断片的に作品の中に埋め込む方法。
かなり、映画が引き締まったものになる気がします。しかし、そういったことをしないで、律儀に物語を進めたからこそ、なんとも言えないまったり感が、醸し出されたのかもしれないですね。
私はデパートの屋上のシーンが、結構気に入っています。あれも静岡なのかな、真剣に見覚えがあるか風景を確認してしまいました (^^ゞ
けれど、唐突なラストが、余りにも強引すぎる印象を与えて、観客を混乱させるというか、納得できない人が多かったのではないかと思う。
ラストの内容が、というより、「結局、この映画なんだったんだ」みたいな後味を与えてしまう。
まず、監督の言いたいことは、ラストにあって、そのために、延々と市井の人々の生活を、淡々と描いていた、なんて解釈をすれば、納得できるのかなあ・・・、ってな感じ。
ラストで、突然、ファンタジーというか、幻想の世界に入ってしまうのも、ちょっと、ウソっぽくて好きだったりするんだけれど、生々しい(どちらも)というか、それまで丹念に積み上げていた、それらしい人々のそれらしい生活との落差が、大きすぎる印象は確かにある。
私は、このラスト、成島東一郎監督の『青幻記~遠い日の母は美しく』(1973)を、思い浮かべちゃうんだよね。
とってつけたラストではなく、このラストから映画は始まっているような気がする、というかラストに提示されたトラウマみたいなものが、この親子にとっての、「永遠に追い求める」母であり、妻であり、「たみおくんの結婚観」なのだと思う。
とはいいつつ、映画の殆どは、そこまでの道筋を描いているわけで、これまたラスト直前までの描写が、結構いいんだよね。
ところどころ、アクセントとなるお遊びみたいなエピソードを交えつつ、進んでゆくストーリーの流れは、どこか往年の日本映画が持っていた、独特の「まったり」感が滲み出てて、好感が持てたりする。
主人公は、妻を亡くした親父と、その息子。どうも仕事はちゃんとしているみたいだけれど「心ここにあらず」みたいな生き方をしているオダギリジョー演じる息子、何故か女性にはモてるみたいだけど「成り行き任せ」の生き方をしている原田芳雄演じる親父。
まっ、それでも、何処にでもいそうな感じの父子だし、たいした事件が起こるわけでもない、アメリカに住んでいるはずの小林薫演じる叔父とかが、絡んでくるんだけれど、それも織り込み済みみたいな感じで、この親子の生活に取り込まれてしまう程度の小さなドタバタみたいな雰囲気はある。
とりあえず、息子と結婚する相手は麻生久美子、父親の現在の女は大竹しのぶが演じています。この二人も、なかなかの存在感があって、絶妙なんですが、またまた、この親子のまったりな生活態度に呑み込まれてしまうところが、面白い。
まっ、絶妙なバランス感覚が、とっても気持ちいい作品だったりします。
余りに親子の生き方が、落ち着いていると言うか、「われ関せず」のような安定感があって、それが異様にこの作品を支配している感じもする。
この作品、「結婚するのとしないのと、どっちがしあわせ?」みたいな命題があって、結論はとっくに(監督の中では)出てるのに、どうしても拭い去れないトラウマとかがあって、結局、こんな映画が出来てしまったみたいな気がする。
監督の、一人相撲みたいな映画、って冷たい評価も出来るかもしれないけれど、そんな一筋縄ではいかないのが、この映画であったり、「結婚」であったり、「しあわせ」だったりするわけで、まっ、人生って、そんなもんですよ、みたいな~~
いいんじゃない、そんなもんで、現実は、何処にも逃げられないんだから、せめて、映画の中だけでも、逃げさせて欲しいよ~、そう、ちょうど映画の『卒業』のラストみたいに~、ってな、いい加減さがここちよかったりする作品です。
ああ、殆ど、何を言ってるかわからない、まったりな感想になってしまった、でも、そんな映画なんです。
ちなみにラストを映画の冒頭に持ってきたならば、かなり作品の印象は、変ったものになると思います。敢えて、やらなかったのかもしれないけれど・・・・。
さらに、好みを言えば、幻想的なシーンをフラッシュバックで断片的に作品の中に埋め込む方法。
かなり、映画が引き締まったものになる気がします。しかし、そういったことをしないで、律儀に物語を進めたからこそ、なんとも言えないまったり感が、醸し出されたのかもしれないですね。
私はデパートの屋上のシーンが、結構気に入っています。あれも静岡なのかな、真剣に見覚えがあるか風景を確認してしまいました (^^ゞ
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そうですね、
おっしゃる通りラストシーンが最初にあって、
親子が逃げるところで終わった方が良かったかも!
そうすれば、僕もたぶん納得だったでしょう。
今、そういう作りでこの映画を考えると、
全然違う印象になりますね。
つまり、あの幻想的なところへ結びつくのは、
現実のぐちゃぐちゃがいやだったんでしょうね、と。
で、結婚の後も、またあれが続くかと思うと・・・・。
てな具合でしょうか?
よーじっくさん、監督になったら?!
by SOSEGON (2009-11-02 08:53)
私の考えは、きっと作品の個性を
失わせてしまうかもしれません ^_^;
SOSEGON さん、こんばんはぁ(^^)/
コメント、ありがとうございます。
監督の思いは、きっとあのバランスが
必要だったのかもしれませんしね。
映画って、編集の腕ひとつで
印象も出来も変わってしまったりするんで怖いですね。
今日観て来た『THIS IS IT』でさえも作品の
メッセージではなく、監督のメッセージが
伝わってきました。
そこにまた、映画固有の面白さもあるんだろう
なとは思います。
by よーじっく (2009-11-03 00:21)
kantoku さん、こんばんはぁ(^^)/
ご訪問とnice!、嬉しいです。
どうもありがとうございます。
m(__)m
by よーじっく (2009-11-03 00:23)