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『戦場でワルツを』 (2009) [映画 (2010 鑑賞作品)]

戦場でワルツを.jpg

チェック:元兵士のアリ・フォルマン監督が、自身の経験を基に製作した自伝的なドキュメンタリー・アニメーション。1982年にレバノンで起こったパレスチナ難民大虐殺についての友人たちの証言から、戦争がもたらす心の闇を暴き出し、カンヌ国際映画祭やアカデミー賞などで国際的にも賞賛された。フォルマン監督独特の斬新な手法やビジュアルも必見。兵士の心理状態が時にシュールに、時にミステリアスに描かれながらも、現代の戦争への風刺の効いた問題作だ。
ストーリー:2006年冬、友人のボアズがアリに対して、毎夜みる悪夢に悩まされていると打ち明けた。ボアズは、それがレバノン侵攻の後遺症だという。しかし、アリの記憶からは、レバノンでの出来事が抜け落ちていた。記憶から失われた過去を取り戻すために、アリは世界中に散らばる戦友たちに会いにいく。
  《 シネマトゥデイ 》 より
 かなり感想の書きにくい作品でした。

 主人公の記憶と、戦場に共にいた知り合いたちとの記憶で綴られる戦争体験談という形式をとっていますが、個人的な記憶が主だった内容なので、どこまで本当なのかという気もしないわけではないけれど、この淡々と語られるお話は、そんなことなんてどうでもよくって、ただただ戦争というものの怖さが、伝わってきます。

 「戦争の怖さ」という大雑把な書き方をしてしまったけれど、つまるところ人間の怖さを描いているわけで、人間は、戦争の真っ只中では、ここまで怖い生き物になれるんだということに、驚きます。

 戦争を潜り抜けてきた兵士が、虐殺された動物を見て、我に帰るというエピソードや、戦争記者がカメラを通して見ると、目の前の惨状さえ、別の世界の出来事のように思えてしまうという話は、普段ニュースフィルムを普通に見ている自分の怖さに気付かされます。

 ドキュメンタリー風の作品なんですが、個人的な体験が主だった内容なので、さすがに現実の映像があるわけもなく、役者に演じさせれば、ウソっぽくもなるだろうし、アニメーションにした意味は判る気がします。戦争記者の話が頷ける気がします。

 私の場合、アニメーションだからこそ、この作品に最後まで付き合えたような気もします。

 ただ、『戦場でワルツを』独特の雰囲気は、アニメーションだからこそのものだと思える反面、描写が不思議と詩的だったりするところが、やるせなく感じる事も確かです。ところで、OMDのあの曲は意図的だとは思うのだけれど、それが反対に「演出」を意識させてしまって、ちょっと残念でした。

 アニメーションの技術とか、作品の出来とか、そういった事を考えること自体、ちょっと後ろめたさを感じるほどに、この作品にはインパクトがあるように思います。何ヶ所か、アニメゲームのようなシーンがあるんですが、その場にいたら、きっとそんな解釈でもしなければ、精神的に参ってしまう状況なんだということが、痛いほど伝わってきました。

 欠落した記憶を手繰るという、ストーリー展開なんですが、記憶を真正面から受け止められるようになるまで、主人公もかなりの時間を要しているわけで、その受け入れ方の冷静さには、凄みさえも感じました。

 当分、戦争映画は見たくないなあ、というのが今の気持ちです。




 
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コメント 21

よーじっく

xml_xsl さん、こんぱんはぁ(^^)/

いつもご訪問とnice!、ありがとうございます。
嬉しいです。!!!
by よーじっく (2010-02-05 23:43) 

SOSEGON

なんだか悲惨な映画ですね。
ていうか、戦争が悲惨なんですけどね。
実際の経験だというのが、なおさらつらいですね。
戦争は兵士だけでなく、女性や子供も犠牲になりますから。
観るのをちょっと迷ってしまう作品ですね。
by SOSEGON (2010-02-06 04:40) 

エコピーマン

現場に立たされた・経験した人間でないと 
戦争の怖さ・悲惨さは 理解できないと思います
やるかやられるか 殺戮本能 防衛本能 倫理観
戦場で正気でいられるのは 凶悪殺人犯とかいう人達だそうです
精神的にやられる兵士はかなりの数だそうです
私は戦争映画はよく観ますが 戦争の悲惨さを認識したいからです
作者のメッセージを 感じたいからです
by エコピーマン (2010-02-06 10:12) 

よーじっく

SOSEGON さん、こんにちはぁ(^_^)/
コメントをありがとうございます。

淡々と語られていくのが、何故かとても怖く感じます。
映画館で観たけれど、自宅ではちょっと考えてしまいますね。
by よーじっく (2010-02-06 10:21) 

よーじっく

エコピーマン さん、こんにちはぁ(^_^)/
コメントとnice!をありがとうございます。

まさしく仰るとおりのことを、観ながら感じました。
戦争の中の「冷静」とは、何なのか
考える機会を貰ったような気がします。
by よーじっく (2010-02-06 10:26) 

よーじっく

miyokoさん、こんにちはぁ(^_^)/

ご訪問とnice! をいつもありがとうございます。
感謝です。m(__)m
by よーじっく (2010-02-06 10:40) 

よーじっく

bee-15さん、こんにちはぁ(^_^)/

ご訪問とnice! に感謝です!
ありがとうございます。m(__)m
by よーじっく (2010-02-06 10:40) 

よーじっく

shin さん、こんにちはぁ(^_^)/

いつも、ご訪問とnice! を、ありがとうございます。
感謝です!!!
by よーじっく (2010-02-06 10:42) 

よーじっく

mitu さん、こんにちはぁ(^_^)/

いつも、ご訪問とnice!を嬉しいです。
感謝ですm(__)m
by よーじっく (2010-02-06 10:44) 

丹下段平

昨年観なかった映画の中で気になっている一本です。
感想の書きにくい映画…そんな感じがしますね。
by 丹下段平 (2010-02-06 11:10) 

よーじっく

丹下段平さん、こんにちぁ(^_^)/
コメントとnice! をありがとうございます。

『おくりびと』と争った映画であることと、アニメ作品であること
二つの興味から観ましたが、何も騒がれずに公開されていたら
スルーしていたかもしれません。

観て良かったとは思いますが、時間が経つにつれて
印象が薄れてしまいそうな気がします。
強烈だけれど、作品との距離はかなり感じます。
by よーじっく (2010-02-06 13:44) 

よーじっく

アイスっこ さん、こんにちはぁ(^_^)/

いつも、ご訪問とnice!をありがとうございます。
嬉しいです!!!
by よーじっく (2010-02-06 16:25) 

よーじっく

@ミック さん、こんぱんはぁ(^^)/

ご訪問とnice!、いつもありがとうございます。
m(__)m
by よーじっく (2010-02-06 17:41) 

よーじっく

シンシン。 さん、こんぱんはぁ(^^)/

いつもご訪問とnice!、ありがとうございます。
嬉しいです。!!!
by よーじっく (2010-02-06 22:41) 

よーじっく

kaoruさん、こんぱんはぁ(^^)/

こちらにも、ご訪問とnice!を、嬉しいです。
ありがとうございます。!!!
by よーじっく (2010-02-08 01:06) 

よーじっく

artfuldodgerさん、こんぱんはぁ(^^)/

こちらにも、ご訪問とnice!をありがとうございます。
嬉しいです。!!!

by よーじっく (2010-02-08 01:26) 

よーじっく

sungen さん、こんぱんはぁ(^^)/

ご訪問とnice!、ありがとうございます。
嬉しいです。!!!
by よーじっく (2010-02-08 17:52) 

クリス

レバノンやイスラエルの国同士の歴史を知ってないと、ちょっと辛い作品だったかなって思いました。
ただ、アニメーションにして、戦争のむごたらしさをむきだしにせず、もっと深いところで戦争とは? というところを突いてきた演出は、グッときました。
by クリス (2010-02-11 01:03) 

よーじっく

クリス さん、おはようございます(^^)/
コメントとnice!をありがとうございます。

よく映画には、主人公の戦争体験が背景にあって
こんな行動が・・・、ってのがありますね。
その背景や怖さは、頭ではわかっているつもりでも
実際に理解する事は難しいと、この映画で思い知らされた
気がします。

アニメだからこそ、今回はストレートに心に届いた気がします。
ただ、それでも、きっとちゃんと理解したとは言い切れない
奥深い怖さを、感じたことも確かです。
by よーじっく (2010-02-11 07:36) 

Labyrinth

(^_^)ノこんばんは。お邪魔します。
本当に感想の書きにくい作品で、(^_^ゞ 見てから結構な時間、放ったらかしにしてました。(苦笑)
確かにアニメだから見てみる気になったのですけれども、深いところまでは感じ取れませんでした。
じゃ感想なんて書くな って話ですけれども。(´m`)ぷぷ
反発を感じた時点でダメですね?f^_^;

by Labyrinth (2010-03-09 01:12) 

よーじっく

Labyrinth さん、おはようございます(^_^)/

描かれている戦争の実態を知ることに
何の意味があるんだろうと、考えさせられた
作品でした。戦争が人生の一部分だった
主人公の、自分探しの旅なんですが
自分に向き合い、事実を受け入れる心構えが
出来た主人公の強さが、かなり胸に痛い作品でした。

理解するのではなく、とりあえず認めることからしか
始められない空しさが辛い、映画だと思います。

反発を感じたり感想を書くことも、その一歩だと私は
思います。観客に、何か反応を引き起こせれば
この映画は成功しているのだと思います。

コメントとnice!をありがとうございます。
by よーじっく (2010-03-09 09:49) 

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