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テレビアニメ『忍者ハットリくん』の面白い一編 [なんとなく、その日の気分]

 テレビアニメ『忍者ハットリくん』は、いわゆるギャグアニメですよね。

 声優の皆さんがノって吹きかえているのが、よくわかる作品が多いです。ラストで画面は既に静止しているのに、ギリギリまでアドリブと思われるセリフが聞こえてきたりすると嬉しくなります。

 まっ、そんなギャグアニメであるはずの『忍者ハットリくん』にも、異色のエピソードがいくつかあります。ときどき、そんな一編に出会うと、却って新鮮で印象に残ったりします。

 第114話の「逃げた風船はどこにの巻」は、全編を通して詩情溢れるファンタジーに仕上げられていて、とても異色の作品になっています。映画『赤い風船』へのオマージュと思えるほどです。


 また、第249話の「誕生日をさがすでござるの巻」は、なんともシュールな作品になっています。

 誕生日が定かではない獅子丸がシンちゃんと一緒に自分の誕生日を探すエピソードなんですが、徹頭徹尾、誕生日とは商品として売られているものだという解釈の元、二人が行動するお話なんです。

 誕生日とはそういうものではない、と諭す人物はストーリー上絡んできません。あくまで、二人は必死で、どこかにあるであろう誕生日を探し続けるのです。お話が進むにつれて、なんともシュールな不条理な雰囲気が漂い始め、いつのまにか、実験的な小品でも観ているかのような錯覚を覚えます。

 どちらの作品も、ギャグでラストをオとす、という作業をおこなっていないところに好感を持ちます。「逃げた風船はどこにの巻」のラストは、どこか心温まるオチですし、「誕生日をさがすでござるの巻」のラストは、突き放した感じで終わっています。かなり意図的に組み上げられたお話のようにも思います。

 テレビアニメ『忍者ハットリくん』は、製作された時代の、製作者たちが持っていた映画への思いが、ふと作品から零れてくる、そんな作品でもあるように感じます。
 

 

 
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