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映画 (2010 鑑賞作品) ブログトップ
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『劇場版 怪談レストラン』を観てきました。 [映画 (2010 鑑賞作品)]

怪談レストラン.jpg



 『劇場版 怪談レストラン』を観てきました。テレビアニメがあるらしいのですが、全く知りませんでした。

 とにかく、この時期、こんな映画が公開されたりすると、ちょっと観てみようかなあと、ふらふら映画館に足を運んでしまうわけです。

 去年、観たかった『山形スクリーム』が静岡では上映されずに、悔しい思いをしたので、その代わり・・・、みたいなものです。(^^ゞ

 で、『劇場版 怪談レストラン』なんですが・・・。

 面白い、楽しい! 細かくカット割りされたシーンを矢継ぎ早に、勢いで繋いでいく手法。音楽も映像も演技も演出も、何もかもが、とにかく、ベタでハッタリなんだけど、有無を言わさぬスピードでどんどんお話を進めていきます。

 まっ、ギャグばっか、バカばっか、遊びばっか、なんでもアリのいい加減さに、アッケにとられて、嬉しくなります。(^_^)

 この演出のリズム、映像の弄り方、音楽の遊び方、どこかで観た事があるぞ。確かにどこかで経験した覚えがあるぞ。な~んて、記憶を手繰る必要はあ~りません。

 私に染み付いてる映像体験、『HOUSE ハウス』です。

 喜ばしいじゃありませんか、あの、『HOUSE ハウス』の精神が、この映画には、脈打っているんですから・・・。

怪談レストラン076.jpg


 しかし、そんな喜びも最初の30分ぐらいだけでした。次第に、映画のリズムは、ごく普通のホラー・コメディと化していきます。

 間延びしちゃうと言うか、仕方ないですね。最初のテンポのまま続けられたら、かなり面白いんだけれど、そこは子供向け作品というか、わかりやすくお話が展開するというか・・・、私には足踏みしているようにも見えたんですが。

 もしかしたら私が子供じゃないから、間延びしているように感じたのかもかもしれません。

 実は、アンガールズまで出てきて、ベタな笑いを取ろうとしている・・、なんて私が思うシーンに限って、場内では笑いが起こるんです。それも、確実に子供達の笑い声です。

 私が、面白い! 最高!などと喜んでいた、冒頭では聞こえなかった子供達の笑い声が、後半は、しっかり聞こえるんです。

 ちょっとショック!。感覚が違うと言うか、年齢差が、そうさせるのか・・・。

 ということは、きっと映画のターゲットと定められた年代には、ちゃんとフィットしている作品なのかもしれません。

 何はともあれ、私は最初の30分で満足したんで、これはこれで良し、
とすることにします。(*^^)v




映画『劇場版 怪談レストラン』 予告編



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映画『カラフル』を観てきました。 [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 いい映画でした。大変気に入りました。

 観ていて、実写だったらどうなのかなあ、と思いましたが、実写だと生々しすぎて却ってウソっぽくなるかもしれないとも思えました。アニメだからこそ生まれる、その適度な距離感が、観客を素直にさせてくれるんだと思えました。

 実は、かなり重いお話です。キツいエピソードがいくつもあって、アニメだから軽く受け流せる気もします。リアリティのない質感が、救いにもなっていて、狂言回しの天使(?)プラプラが、絶妙な存在感で作品を支えている気がします。

 アニメーションの技術で、見せる作品ではなく、アニメーション独特の軽い質感だからこそ訴求できる世界が、この作品にはあると思います。

 で、中盤以降の、とってつけたようなエピソード、「玉電」のくだりが、ホント実にいいんですね。

 突然、作品の流れを強引に変えてしまっているようにも思えるんですが、この作品にとって「玉電」のくだりは、お話を支えているとてもベーシックな部分を担っているように思えます。主張しすぎていないメッセージが、映像の奥のほうに、沢山隠されていて、それを自然に受け取れる、五月蝿くない演出が素晴らしいです。

 今はない「玉電」の痕跡を辿っていく主人公たちが、過去、そして現実の世界とダブらせて見ている世界。そのとても大きくて開放的な風景が、次第に生活感を滲ませて人間ぽく感じられてくるのは、さすがだなと、監督の力を感じます。脚本も素晴らしいけれど、やはり演出のフットワークの絶妙さだと思います。

 名作ではないけれど、傑作の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(2002年)』が、決してフロックではなかったことを納得させてくれる作品でした。原 恵一監督、流石です。

 観た後、大きく影響される作品ではないけれど、確実に心のどこかが変化していると、実感させられる作品でした。初心に戻れる映画かもしれないです。

 そうそう、いつでも工事中のイメージのある二子玉川の町並みなんですが、やっぱり今でも工事中なんですね。そんな絵が、なんか懐かしいやら、嬉しいやら・・・。
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『ヒックとドラゴン(3D)』を観てきました。 [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 3D版に拘るのは、もうよそうと思いつつ、またまた観てしまいました。

 やっぱり、どうしても気になるんですよね。3D効果が生かされた作品だったら、2D版で済ましてしまうのはもったいないし、2DならDVDになってからでも見られるけれど、現在3Dは映画館でしか鑑賞できない状況だし・・・。

 数ヶ月前に入手した『コラライン・・』のDVDは片面がメガネ付きの3Dヴァージョン収録なんだけど、ホント、DVDの3D版のタイトルって、少ないし・・・ね。

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 私の場合、映画館で観る意味の、2割ぐらいは3D版だから・・、なんてこともあったりします。しかし、いつも2Dでもいいかも~、なんて、観ている時に思ったりもするんだよね。(^^ゞ

 さて、この『ヒックとドラゴン (3D)』は、もう一度、2D版でも、観てみたいと思わせる作品でした。よく出来ている作品です。

 ピクサーの『トイストーリー3』も、ほんとに良く考えつくされた極めつけの娯楽作でしたが、『ヒックとドラゴン』は、素朴な手作り感の清々しさと、ピクサーの細やかさとはまた違う、アニメーションの質感の素晴らしさがありました。

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 特に、ヒックとドラゴンが仲良くなっていく過程の描写は、とても丁寧に描かれていて好感が持てますし、空中シーンは、この作品の白眉と言えるもので、観ていて気持ちよくて、アニメ作品を観る事の満足感と充実感を味わえます。

 大きなスクリーンで観る事の喜びを感じると共に、3D版を観て良かったぁ、と思わせてくれます。ただし、作品としても良く出来ているので、2D版でも充分、映画を楽しむことは出来ると思います。

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 見せ場のクライマックスは、迫力タップリのかわりに、展開・設定はかなり強引に端折った形になってしまいますが、一気に結末へと持ち込んでゆく爽快感は、映像の素晴らしさと相俟って、久し振りに力の入った「CGアニメ」を観たぞ!、という気持ちにさせてくれました。

 まっ、「共に生きる」ことを描いた作品なので、、ペットという言葉は、使って欲しくないし、似合わない作品だと思うのですが・・・・、

 やっぱり、ペットって言っちゃってるんだよなあ・・・・、原題はそのまんまなんだけど、何か他の言葉はなかったのかなあ、残念!!!


・・・ 『ヒックとドラゴン』概要と予告編を見る


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『オーケストラ!』 (2010) [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 基本的には、コメディなんだと思います。題材がクラシックだからといって、畏まってたら楽しめないです。(^^ゞ

 かなり、細部にはいい加減さが感じられるんだけれど、そのいい加減さが「好い加減」なんです。スピーディーで、テンポ良く、どんどんお話が突っ走っていくので、細かいところなんか気にしていられない、というより気にならない、大雑把なところが、かなり可愛いらしい喜劇なんですね。

オーケストラ.jpg 劇中、ロシア語とフランス語が入り乱れるんだけれど、字幕もかなり好い!加減で、ちゃんと意味は通じますが、字幕上の2ヶ国語の振り分けが・・・・、「おいおい、今は、何語をしゃべってるんだい」なんて、ツッコミを入れたくなります。まっ、その字幕の混乱ぶりも、この作品のハチャメチャ度に貢献している感じなんです。

 ロシアが昔、ソ連だった頃、いろいろあって、で、当時のきっと売れっ子指揮者だったであろう、主人公の起死回生のパリ公演のお話です。今は、しがない掃除夫が、いかにしてパリ公演を成功させるか・・・。

 あっ、でも、好い加減な作品なんで、オーケストラの練習風景なんて、全く出てきません。自主練なんて、誰一人やってない・・・、主人公だって、一度も楽譜をチェックするシーンがない。恐れ入るくらいいい加減な映画です。

 だから、演奏会のチャイコンのヴァイオリンのソロ・パート、そのギリギリまで、喜劇を押し通してくれてたりします。

 ところで、演奏会のセレナード(チヤイコ?)とプロコフィエフはどうなっちゃったんでしょう。やっぱり、あの後、ちゃんと演奏したんでしょうか。確か主人公はプロコフィエフは嫌いだと言っていたはずだし、絶対、あの時点のオーケストラじゃ無理だと思うけどね。(^^ゞ

 チャイコンだけはみんなの身体に染み付いている、って確かに私も思うけれど・・・・。

オーケストラ2.jpg まっ、そんなこと、どうでもいいか。喜劇なんだから。気にしない、気にしない。

 そういえば、クラシックのおなじみを、数フレーズだけ、ちょっこちょこバックに流しての、演出上のお遊びが、かなりあったけれど、あれって「のだめ」と同じだよね。なんかニヤニヤしてしまいました。

 とっても、楽しくて、あっという間の2時間でした。実質90分ぐらいにしか感じられない感覚です。一応、コメディなんで、皮肉とか色々あるとは思います。でも、そんなのも、どうでも良くて、なおかつ、感動と涙の協奏曲なんてのもあるんだけれど、成り行きみたいな感じで印象に残らない・・・。いい意味で、ノリが軽いんですよね。こういう場合は、スマートとかクールとか言うべきなのかな。

 耳に残るのはチャイコンばかり・・・。そのちょっと歌謡曲ぽくて、ちょっと野暮ったいところが、この映画にピッタリだったりして、私はそんなチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調 op35 が大好きです!!!(*^^)v

 ロシア人が主人公にもかかわらず、いかにもくだけたフランスの喜劇映画の雰囲気にコーティングされた、どことなく東欧ぽい土臭さが、不思議な魅力になっていると思います。

 ホント、観た後、良かったあと思える作品です。

 『音符はハーモニーを求めている・・・』、いいセリフです。でも、これも、ちょっと、はぐらかされた使い方をされてしまいます。(^^ゞ

 それでも、私は好きです。『音符はハーモニーを求めている・・・』って、言葉。


・・・『オーケストラ!』 概要と予告編を見る


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『ちょんまげぷりん』 (2010) [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 基本的には、コメディなんだと思います。当然かぁ・・・・(^^ゞ

 かなり、細部にはいい加減さが感じられるんだけれど、そのいい加減さが「好い加減」なんです。おおらかなご都合主義が、なんとも心地いいんです。コメディなんで、何でも許せてしまう、そこが魅力なんだと思います。

ちょんまげ3.jpg 監督は『ゴールデンスランバー』の中村義洋監督なんですね。あの作品も、とても面白いんだけれど、どこかいい加減さが溢れていた。良い意味で、映画的な大らかな楽しさが魅力でした。

 この作品は、江戸と東京を強引に結び付けてしまう荒技の、「ゆるさ」が設定のクッションにもなっていて、「まっ、いいんじゃない」と言う気持ちが、いつのまにか「このままでいいよ、気持ちいいんだから」なんて思って観ていたりする。

 侍がパティシエというのも、とんでもなく無理があるんだけれど、いわゆる癒し系グルメ映画の領域に片足は入っているんで、「いいんじゃないの」なんて思ってしまう。

 役者さんたちも、とてもナチュラルで、ファンタジーの優しい和みさえ漂っているので、違和感がなくてすんなり観ていられる。ちょっとテレビ的な軽いノリってところが、この作品のスケールの小さなお話を引き立てている気がしたりするんだから、ステキです。

ちょんまげ2.jpg ともさかりえの息子が、主人公の作ったプリンを食べるシーンがあるんだけれど、これが大げさじゃなくて、適度に美味しそうなんだよね。その頃合が、この作品自体の立ち位置にも通じていて、なんとも、こころがゆる~くなって、和んでしまう。

 気にし始めたら、いくらでも気になるところはあるんだけれど、そういった部分を、観ている私が無視したくなるんだよねぇ。

 生きる時代のギャップが、この作品の面白さの「芯」だと思うし、だから意味があるんだと思う。と言って、今までにも、どこかで観てきたような題材でもあるので、とりたてて新鮮味があるわけではない・・・。

 なのに、「いいなあ」と思わせるのは、リアリティとは別の場所に在る、大切なものが、隅っこに、さりげなく置かれていて、日本人の根っこ、みたいなものまで、ほんわか思い出させてくれたりするからかもしれない。

・・・『ちょんまげぷりん』概要と予告編を見る


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『トイストーリー3 (3D) 』 を観ました。 [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 映画館へ久しぶりに出かけた1本目の作品は、『トイストーリー3』でした。

 興味を惹かれる作品はたくさんあるけれど、この夏、絶対ハズレる事など考えられない楽しい映画なら、これですもんね。

  しかし、あのメチャクチャ良く出来た、これぞ娯楽作の代表、ファミリー映画の金字塔みたいな『トイストーリー2』より、純粋で素朴な『トイストーリー』の一作目が好きな私としては、きっと2作目のコンセプトを踏襲したであろう最新作は、ちょっと、期待感の意味合いが違っていました。 
(最近公開された前2作の3D版の感想は、上記のタイトル部分でリンクしています)

 どこまで楽しませてくれるんだろうと思いつつ、失われつつあるピクサーの初心が気がかりでした。こんな心配する人って、私だけだとは思うけれど・・・。

 まっ、とにかく、とっても面白いです。

 今回も、冒頭から楽しませてくれます。いやいや、とんでもなく楽しいです。ワクワクします。遊び心満載のオープニングには、乾杯!!!という気持ちです。

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 で、そのまま、面白いピクサー作品は、最後まで涙あり、笑いあり、ハラハラドキドキ、時にはしんみり、目いっぱい、アニメーション映画の出来うる限りの、知恵と技術を投入して物語は進んでいきます。

 主要キャラクターたちには、しっかりそれぞれの見せ場が用意されていて、製作者たちのキャラクターに対する愛情をヒシヒシ感じます。面白くて楽しい作品を創りたいという情熱は、画面から溢れるばかりに感じます。

 しっかりと細部まで、練りに練られた展開は、ピクサーとしての一つの集大成、或いは到達点として、作品を残したいという意気込みが感じられます。

 ファミリー・エンターテイメントとしての理想の姿が、そににあるような気がしました。

 とても良い映画なんです。とてもステキな映画なんです。ピクサーって、やっぱり凄いな!、って作品です。


>
映画『トイ・ストーリー3』トトロのぬいぐるみも登場する予告編





 しかし、この作品の主要なプロットのいくつか・・・。

 幼稚園の乱暴な園児たちのクラスには、行きたくないと頑張る彼ら。

 持ち主から見捨てられたと、反対にオモチャたちを苦しめる独裁的な悪役キャラクター。

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 私は、どこか違っていると感じました。乱暴な園児たちは、たた恐怖を煽るだけの存在なのでしょうか。彼らの心を和らげ、物を大切に慈しむ心を育てる、オモチャしか出来ない、オモチャのアイデンティティに関わる、それは大切な仕事なのではないでしょうか。

 乱暴な園児たちのクラスを、恐怖の収容所のように捉えているトイストーリーの主要キャラクターを、ちょっと悲しく感じました。

 そして、独裁的な悪役キャラクター。お話の展開には必要なのかもしれませんが、私はオモチャたちの性善説を信じているので、有り得ないキャラクターとしか思えませんでした。

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 確かに、それらは作品を面白くするためには、仕方のないことなのかもしれませんが、昨年の『カールじいさん』で気になった、テレビの大自然への不法投棄シーンと同じ気がしました。

 エンターテイメントのために、何か大切なものを失い始めている、足元を見忘れている。ピクサー作品にあってはならない事が、作品の底のほうで蠢いている、そんな気がしてしまう・・・、やっぱり私だけなのかなあ。
 
タグ:静岡有楽座
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『エアベンダー (3D) 』を観てきました。 [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 公開前から、とても気になっていた『エアベンダー (3D) 』を観てきました。

 予告編を観て、監督がM・ナイト・シャマランだと知り、もしかしたらという 漠然とした期待感がありました。

 しかし、本編冒頭、ニコロディオンが製作に関わっているとわかり、ちょっと不安が・・・・。

 そう、原作はアメリカのキッズ・チャンネルであるニコロディオンのテレビ・アニメなんですね。で、所謂、最近氾濫気味の冒険ファンタジー。まっ、原作はかなり壮大な雰囲気ではありますが・・・。

 こうなってくると作品の出来は、M・ナイト・シャマラン監督の腕次第となってきます。

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 ああ、思い切りが全くないなあ、などと思ってはいけないのでしょうね。原作のスケールを生かそうと、かなり頑張っている気はします。しかし、アニメは省略の美学です。細かいところに拘りぬく代わりに、大事そうな部分もバッサリそぎ落としてこそ、迫力があったり見応えがあったりします。

 それを、丁寧にCGを使っていちいち再現してくれても、全ての見せ場のテンションが同じ高さで羅列されてしまって、メリハリが失われかねません。確かに迫力のある、一種のマジカル・ファンタジー・ワールドを観せてはくれるのですが、で主人公は誰なの?、という感じさえ受けます。

 複数の登場人物のモノローグ、ナレーションを多用して、ストーリー展開を補っているのですが、そのせいで焦点がボケてしまっているんです。ただただ、物語の結末に向かって、エピソードが連なっているだけになってしまいます。

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 ホントは、きっと、とても見応えのある、重量感のある、スペクタキュラスな作品として成立させたかったのでしょうが、どこか、さらっと大まかなシノプシス(粗筋)を観ている感じさえします。もったいない、残念!、そんな気がします。

 期待も大きく、観ていて内容もほどほど良さそうな雰囲気なので、ついつい、アレコレ言いたくなりますが、つまるところ、その「言いたくなる」ほどに惜しいのは、確かです。

 監督さんはとんでもない作品を引き受けてしまったんですね。もっとスケールを小さくして描いたほうが、作品の「面白さ」は出せたような気がします。というより、M・ナイト・シャマラン向きの作品では、ないのかもしれません。

 東洋的なエキゾチシズムという、接点だけで人選されたのなら、M・ナイト・シャマランさん、もっとわがまま言って、好き勝手に創らせてもらえばよかったのに・・・、なんて思います。

 3D版なんですが、鑑賞には特別拘らなくても、という作品でした。






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アンジェリーナ・ジョリーの『ソルト』を観てきました。 [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 月も替わって、気分も一新。

 1日ということもあって、『ソルト』を観てきました。

 大満足! 100点満点! 面白かった!

 かなり寡黙な作品です。小気味いいくらいに、説明は一切無し。

 そこが気に入った最大の理由です。私は、この作品のような、削ぎ落としかたが好きです。

 リアリティとは別の、次元に存在している作品だと思います。

 う~ん、それこそが映画の魅力だよね、と私は思います。

 一方的な、お話の突っ走り方は、アーティスティックでさえあると、私は思います。

 何故か、フランスの、あのアラン・レネの作品群が頭を過ぎりました。

 映画は「遊び」なんだから、レネ同様、これでいいんじゃないかな。


ソルト@ぴあ映画生活

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『ヒーローショー』 (2010) [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 青春バイオレンス・ムービー、なのかと思っていたのですが、なんか小さなところにスンナリ収まってしまっている作品でした。青春とバイオレンスのバランスを取るって、かなり難しいし、爽やかに余韻を残したいとなると、こうなっちゃうのかな、という感じです。

 ただ、つまらない作品では決してなく、かなり楽しめる映画であった事は確かです。映画としてしっかり出来ているし、職人的な手堅さも心地よく、ちゃんと1本映画を観たぞ、という満足感も得られます。

 しかし、何かが足りない、何かが欲しい。閉塞感の先にある何か、諦めきれない「思い」が、画面から滲み出て欲しかった。

 私は結局、「青春の暴走」って、こういうことなのか、という暗黙の了解の上に成り立っている気がしてしまい、中盤あたりから、いつ、その青春の、ありがちなオチが出てくるのかと、ついつい客観的に観ていました。連鎖する暴力、歯止めの利かない集団心理、弱さゆえの暴走。う~ん、リアルと言われりゃ、そうだけど。もう散々、過去に観てきちゃったし・・・。『告白』のほうが、中学生というだけでも怖いもんね。

 そう、私が諦めちゃ、ダメなんだけどね~。(^^ゞ

 で、「そこに落ち着いちゃうんだ」という落胆と同じ比重の安堵。その安堵こそ、私も古い体質の人間なんだなと思い知らされたりもします。バイオレンスの収まりどころが、定番なんですよね。ちょっと70年代ぐらいの感覚なのかもしれないです、監督さんは。

 バイオレンスのためのバイオレンスだっていいんです。ただ、「命」についての観念を決定的に欠落させながらも、右往左往する青春って、それこそ青春なのかな? ほどほど大人の彼らだからこそ痛々しいだけだったりする。でも甘えるときだけは子供。う~ん、やっぱり古いぞ。やりきれなさが鬱積しつつ、どこかで暴発しても、ただの小市民。ボニーとクライドにはなれない。なりたくもないし、なれるわけじゃない。というところに落ち着いちゃう。

 つまるところ、ヒーローショーという題材そのものが、どこかで屈折したまま、答えを出せていない気がしました。登場人物たちが解決できないのは仕方ないにしても、答えが出せなくて悶々とするのが青春だとしても・・・。

 それを操る監督自身が、ヒーローショーというパフォーマンスや存在について、遠巻きに覚めた目で捉えたまま、主人公たちに投影してしまっているのは、残念でした。観客が納得できなくても、一方的でもいいから、スカッとした「こだわり」を、映画にガツーンとぶち込んで欲しかった気がします。一人だけ拘っている登場人物がいたけれど、なんか視線が冷たいんだよなあ・・・。

 で、ヒーローショーに対する「愛」が、全く無かったのは悲しかったです。そこも掘り下げて欲しかったです。ただのバイトの一つでしかなかったという扱いなんですね。

 だから、余計にエンディングに流れる、懐かしのピンクレディの「S.O.S.」が・・・。

 これって、「テレ」なのか「逃げ」なのか、「そうじゃないだろ」って、急に肩の力が抜けました。いい映画だし、いい曲なのに、残念です。

 私は何故か、この映画を観た後「粛清」という言葉を思い出しました。全く作品とは関係ないけれど・・・

・・・ 『ヒーローショー』 概要と予告編を見る


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『アイアンマン2』 (2010) [映画 (2010 鑑賞作品)]

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 見応えのギッシリつまった作品でした。

アイアンマン2-1.jpg 今回の敵役は、演じているミッキー・ローク自身の背景が役柄にダブってしまうので、キチッと描かれているわけでもないのに、観ているこちらが深読みしてしまうほどに、異様な存在感があって、うまいキャスティングだなと感心します。

 ミッキー・ローク以外にもなかなかの役者さん揃いで小悪党を含めて、作品が持っている軽さ以上の何かが画面から漂ってきているみたいに勘違いしちゃいます。私は完全に、その線で満足してしまいました。

 さらに、スカーレット・ヨハンソンが、メチャ、カッコ良くって、絶対スピンオフを創って欲しいと、そのアクションシーンを観ながら、余計な事まで考えてしまったぐらいです。

アイアンマン2-2.jpg エンターテイメント志向の作品(?)なので、映画そのものを楽しめればいいはずなのに、かなり画面の外のことばかり考えてしまう、これまた映画に付随する楽しささえも、いっぱい盛り込まれていて、嬉しくなる作品でした。

 私はロバート・ダウニー・Jrが演じる、軽くて人間くさくて、いい加減だけど、結構真面目な破天荒ヒーローが好きなんですが、今回はちょっと暗かったかなあ、って感じです。まっ、ヒーローもいろいろ悩みがあるわけで、最近のアメコミ映画の一種の潮流なのかもしれないけれど、そこのところは、出来たらスパッとすり抜けて、軽やかに苦悩して欲しかったなあ、なんて思っちゃったんだけどねえ。それにしても、ナルシスティックなオーラ全開なのも、突き抜けてて好きです。

 で、まあ、よくも次から次に、見せ場を並べて、さらに殆どのエピソードのテンションを高い位置で維持している作品なので、お腹いっぱい、カロリー多すぎ、食後が心配になるくらいのてんこ盛りなわけで、これじゃ、高級食材も有り難味が薄れちゃうよ、なんて贅沢なボヤキが出てくる感じです。

アイアンマン2-3.jpg 大味ではないけれど、もうちょっとチクリとしたところがあっても良かったんじゃないかと、無いものねだりを感じたわけではないけれど、「第3作目にも期待!」という気持ちは変わりません。

 往年の「007シリーズ」のような、王道アクション娯楽作になってくれたらいいなあと先々を、願わずにはいられない作品でした。

 唯一の心残りは、グウィネス・パルトロウの出番が少なくて目立たなかったこと。映画も、とても欲張りな作品でしたが、私はさらに欲張りですね。(^^ゞ

・・・ 『アイアンマン2』 概要と予告編を見る


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